「皮膚ってどういう構造になっているの?」
「肌の勉強がしたいんだけど、何からはじめていいかわからない・・・」
今回は基本的な肌の構造について解説していきます。
肌の構造は基本的なことですが、意外と知らない人が多いです。
”美容や肌トラブルに悩んでいる人にとって、基礎的な内容になるので一度は読んでおくことをオススメ”します。
また肌の勉強がしたいという方も「肌とは?」「肌の構造とは?」という基本から始めるのがいいでしょう。
それでは基本的な肌の構造について解説していきます!
皮膚の構造や肌の勉強がしたい人は参考にしてみてください!
目次
皮膚とは?
皮膚とは、”体重の約16%を占める人の体の中で最大の器官”です。
体の表面全体を覆っていて、組織学から考えると「表皮」と「真皮」の2つの層で構成されています。
また皮膚が担う役割は、とても数が多いです。
- 体内の水分や栄養素の漏れを防ぐ
- 体外の異物の侵入を防ぐ
- 体温の恒常性を保つ
- 触覚や温度覚、痛覚などの感覚
このように皮膚はとても重要な器官のひとつですが、今回は皮膚の構造に絞って解説していきます。
肌・皮膚の構造
皮膚の構造は大まかに分類すると、以下の3つにわけられます。
- 表皮
- 真皮
- 皮下組織
組織学的に見ると、表皮と真皮の2層から皮膚は構成されています。
しかし今回は皮下組織も加えて、それぞれの層の特徴や役割をまとめます。
表皮
表皮は、肌の一番表面にある層のことです。
厚さは部位によって異なりますが0.07mm~1.4mmで、一般的には0.2mmと言われています。
表皮にある細胞は主に角化細胞で構成されていて、別名”表皮細胞”や”表皮ケラチノサイト”と呼ばれることもあります。
この細胞は4つの層にわかれています。
- 角質層(かくしつそう)
- 顆粒層(かりゅうそう)
- 有棘層(ゆうきょくそう)
- 基底層(きていそう)
こう見ると1つ1つの層が別の皮膚のように見えますが、実際は1つの細胞が成長しているだけです。
わかりやすく言うと、”基底細胞は赤ちゃんで角質細胞になるにつれて成熟していくわけ”です。
角質細胞になった後はアカやフケになって、剥がれ落ちていきます。
これをターンオーバーと言って、20代で約28日周期と言われています。
ターンオーバーについては別の記事でより詳しく解説します。
角質層(かくしつそう)
角質層は、”角質細胞や他の細胞が積み重なってできた一番表面にある層”です。
一般的には10~20層程度で、厚い部位では100層を超え1mm程度になる場合もあります。
しかし、顔の場合はだいたい20層程度で、厚さは0.02mmほどです。
いわゆるバリア機能とはこの角質層のことを指していて、外部からの刺激から肌を守り、内部の水分や栄養が漏れないようにしています。
ここからもわかるように、化粧水や美容液が染み込むのも基本的にこの層までです。
顆粒層(かりゅうそう)
顆粒層とは、表皮の外側から2番目にある1~数層でできた層です。
この層には、”タイトジャンクション”というバリア機能が存在します。
この他にもケラトヒアリン顆粒という構造物が紫外線から肌を守ってくれていたり、ケラチノサイトが死んだりする層です。
表皮の中では比較的薄い層ではありますが、色々な役割を担っています。
有棘層(ゆうきょくそう)
有棘層は、数層から十数層に及ぶ表皮の中で一番厚い層です。
具体的な厚さは部位によって違い、表皮の厚さに比例しています。
この層の細胞は多角形といっているサイトが多くありますが、外側になるにつれてデコボコが少ない平たい形になっていきます。
またこの層には、”ランゲルハンス細胞”という肌の監視係が存在します。
実際に皮膚に侵入してくると、この細胞が完治して免疫反応を起こします。
主に免疫細胞のサポートをしている細胞です。
基底層(きていそう)
基底層は表皮の一番底にある層で、主に円柱型の基底細胞で構成されています。
”表皮の中で唯一細胞分裂がおこなわれる層で、ターンオーバーがはじまる層”でもあります。
つまり、角質細胞の元となるケラチノサイトが存在している層です。
ケラチノサイトはこの層で細胞分裂がおこなわれて、徐々に押し上げられ角質細胞へと変化していきます。
また、この層には色素細胞とも呼ばれるメラノサイトが存在しています。
メラノサイトとは、メラニン色素を生成する色素細胞のことです。
”肌が黒くなったり、シミになったりする色素をつくり細胞ですが、この細胞は紫外線から真皮を守る役割”があります。
真皮
真皮とは、”厚さ1~2mm程度で表皮の土台となる層”です。
今回の「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの中で一番厚く、色々な重要な器官や血管が存在しています。
具体的には、以下のようなものがあります。
- 皮膚に栄養を送る血管
- 毛包
- 汗腺
- 脂腺
- 神経器官(触覚、痛覚、温度覚など)
- 真皮弾性線維
このように真皮は重要な器官や血管、線維細胞が存在しています。
皮膚の栄養や感覚、肌の弾力といった機能の元は、この真皮で活動がおこなわれているのです。
このことからわかるように、表皮はこの真皮を守るために数多くの層をつくっています。
そして、表皮と真皮の間には基底膜と呼ばれる極薄の膜があり、表皮と真皮を結合しています。
また真皮の層は外側から「乳頭層(にゅうとうそう)」「乳頭下層(にゅうとうかそう)」「網上層(もうじょうそう)」の3層です。
線維芽細胞
真皮は”膠原線維(こうげんせんい/コラーゲン)”と”弾力線維(エラスチン)”の2つが表皮を支えています。
この2つの骨組みの間にあるのがヒアルロン酸などのグリコサミノグリカンという基質です。
この3つによって、真皮はうるおいとハリのある肌にしています。
ただこのコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を作り出しているのが線維芽細胞です。
繊維芽細胞は美容好きの方には覚えておいてほしい細胞です。
なぜなら、”先ほどの成分を作り出す以外にも先ほどの成分が古くなったら分散処理の役割も担っている重要な細胞だから”です。
この細胞は加齢や紫外線の影響で減少していき、シワやたるみの原因になります。
そのため、エイジングケアでは繊維芽細胞を活性化させるという視点でおこなうものもあります。
皮下組織
皮下組織とは、3つの層の中で一番内側にある層で、部位や年齢によって厚さが違います。
この部位は”保温やエネルギーの保存、衝撃緩和、細胞組織や器官の保護、栄養などの役割”を担っています。
この層のほとんどは脂肪細胞でできていて、皮下脂肪と呼ばれています。
この脂肪は悪いものではなく、主に保温やエネルギーの保存、衝撃緩和の役割があります。
まとめ
今回は、表皮と真皮の肌の基本的な所を解説していきました。
個人的にはこのくらいの基本的なことがわかっていれば、良いのかなと思っています。
細かく見ればもっと色々な細胞や器官があり、それぞれが色々な働きをしています。
一応、美容好きの方を意識して書いたので、よく出てくる細胞や器官を中心にまとめました。
肌の構造や基礎的な勉強がしたい方はぜひ参考にしてみてください!