「紫外線がニキビの原因になるって本当?」
「ニキビができているときの紫外線対策を教えてください!」
今回は紫外線がニキビの原因になる理由から紫外線対策までをまとめていきます。
紫外線はシミや皮膚がんの原因になるだけではなく、ニキビにも関係があると知っていますか?
日本皮膚科学会でも、”ニキビに悩んでいる人へ紫外線対策を推奨”しています。
紫外線対策とひと言にいっても、色々な方法があるので自分にあったものを選んでみてください。
それでは紫外線がニキビの原因になる理由から解説していきます!
目次
紫外線がニキビの原因になる3つの要因
紫外線がニキビの原因になる理由は3つ挙げられます。
- 角化異常の原因になる
- ニキビの炎症を悪化させる
- 皮脂分泌を増加させる
それぞれ解説していきます!
1.角化異常の原因になる
紫外線を浴び続けていると、肌の表面が厚くなり、結果として角化異常が起こります。
資生堂が行った実験では、”48時間紫外線B派をあてた皮膚が角化肥厚を起こしたという結果”が出ています。
紫外線B照射による皮膚組織学的変化を検討した結果、正常皮膚と比較して、紫外線照射後48時間の皮膚では、顕著な表皮肥厚が認められた。
(引用元:しわ発生の新たなメカニズム~紫外線と血管新生~)
角化肥厚とは、表皮が厚くなってしまうことです。
このような角化異常は、毛穴を閉ざしてしまう要因です。
このように表皮が厚くなって毛穴が閉じてしまうと、毛穴の中で皮脂が溜まっていきます。
すると、アクネ菌が繁殖し、ニキビの炎症が起こります。
2.ニキビの炎症を悪化させる
紫外線を浴びると、活性酸素が発生します。
”活性酸素はニキビの炎症に関わっていて、ニキビを悪化させる原因にもなる”のです。
その他にも、肌を老化させてしまう原因にもなります。
よく抗酸化成分がエイジングケアの化粧品に含まれていますが、あれは活性酸素を除去するためのものです。
また”紫外線は皮脂を酸化させてしまい、その物質が毛穴を刺激”します。
これもニキビの炎症を強くする要因のひとつです。
3.皮脂の分泌を増加させる
皮脂の分泌は色々な要因が挙げられますが、その1つに紫外線があります。
”紫外線を浴びると、皮脂の分泌が促進”されます。
これは紫外線の皮脂腺に及ぼす影響を調べた研究でわかりました。
中波長紫外線は培養ハムスター脂腺細胞の細胞増殖および脂質生成を照射量依存性に増加させることが判明した。
(引用元:紫外線の皮脂腺に及ぼす影響)
”紫外線は脂腺細胞の増殖や皮脂の生成を促進するという結果”が出ています。
皮脂がニキビの原因になることはかなり有名ですが、こちらも研究されています。
「Can sebum reduction predict acne outcome?」という研究によれば、皮脂の排出率とニキビの重症度は正の相関があると報告されました。
つまり、”紫外線による影響はニキビの重症度にも影響してしまう”のです。
ちなみにですが、皮脂と汗を勘違いしている人が多いです。
汗そのものはニキビの原因と関係があることは証明されていません。
なので、”汗っかきだからニキビができるというのは間違い”です。
ニキビ治療に紫外線対策が絶対に必要な理由
ニキビ治療をするときに日焼け止めを塗らなければならない理由は3つあります。
- 薬の副作用が強く出る場合がある
- 薬によっては皮膚がんに直結する
それぞれ解説していきます!
1.薬の副作用が強く出る場合がある
ニキビ治療薬にはピーリング作用があるものが多くあります。
これらの薬は古くなった角質層を剥がす効果があります。
つまり、”肌のバリア機能が一時的に低くなって、刺激に弱い肌になっている”ということです。
そんな肌が紫外線を浴びたら、どうなるかはわかりますよね?
まず、”シミや色素沈着になる可能性は高くなりますし、浴び続ければ他の肌トラブルになる可能性まで出てきます。”
ディフェリンゲル治療でも説明されると思いますが、日焼け止めは絶対に塗ってください。
目安としては、”日常使いレベルのSPF30程度”です。
関連記事:シミのニキビ跡に悩む人必見!色素沈着の原因と消す方法まとめ!
2.薬によっては皮膚がんに直結する
トレチノイン&ハイドロキノン治療のようなメラノサイトを減らして、”シミができなくさせる治療をしているときも必須”です。
この場合、紫外線から皮膚を守ってくれるメラニン色素を減らしている状態になっています。
つまり、ここで日焼け止めを塗らなければ、確実に皮膚を傷めます。
最悪の場合は皮膚がんになる恐れもあるので、注意して治療をしなければいけません。
また、これは美白化粧品も同じです。
メラニン色素の生成を抑制する成分が配合されているので、日焼け止めは必須です。
”「美白成分が配合されているから日焼け止めはつけなくて良い!」なんて言っていたら、本気で後悔することになる”でしょう。
ニキビができがちな人の紫外線対策まとめ
1.日焼け止め
ニキビに悩んでいる人の紫外線対策で一番に挙げられるものは”日焼け止め”です。
「日焼け止めがニキビを悪化させるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、”日本皮膚科学会はニキビに悩む人に日焼け止めをオススメ”しています。
ニキビ予防というよりは発がんや薬の副作用が強く出るのを防ぐためのものです。
また”環境省は2,3時間に一度日焼け止めの塗り直しを推奨”しています。
いったん塗った日焼け止め化粧品もそのあと手や衣類に触れることによって、あるいは汗をかいたりそれをタオルやハンカチ
で拭いたりすることによっても落ちてしまいます。落ちたと思ったときにすぐに重ね塗りするか、そうでなければ、2、3時間おきに塗り直し(重ね塗り)をすることをお奨めします。(引用元:環境省紫外線環境保健マニュアル2015)
日焼け止めの選び方は「【2020年】ニキビ肌にオススメの日焼け止めランキング!状況別に紹介!」を参考にしてください。
ここで簡単に説明すると、日常使いでは以下の条件を目安にするのがオススメです。
- SPF:20~30程度
- PA:++~+++
- ノンコメドジェニックテスト済み
- ウォータープルーフ(防水加工)
よくSPF50を日常で使っている方がいますが、紫外線の防御指数が高いものは皮膚に残りやすく、クレンジングを使わなければ落ちない場合があります。
クレンジングを使用する女性であれば問題ありませんが、日常使いでは避けるのが無難です。
For best protection, use a broad spectrum, water-resistant sunscreen with an SPF of 30 or higher.
訳:最高の保護のために、SPFが30以上の耐水性日焼け止め剤を広範囲に使用してください。
(引用元:Skin care on a budget)
またウォータープルーフは、米国皮膚科学会が推奨しています。
顔と体の正しい日焼け止めの塗り方まとめ!塗り直しや期限も解説!
2.化粧下地・ファンデーション
化粧下地やファンデーションには紫外線対策の効果があります。
ファンデーションにはよく「SPF」や「PA」の数値が載せられています。
ただ”ファンデーションを日焼け止めとして使おうとすると、推奨量よりも少なくなりがち”です。
なので、一般的には日焼け止めを使ってからファンデーションを塗っていきます。
ちなみに「ニキビにファンデーションなんて使っていいの?」と思う人がいるかもしれませんが、問題ありません。
ニキビに厚塗りするのはオススメできませんが、”ニキビを相対的に目立ちにくくする方法ならOK”です。
最近は化粧品の技術が向上していて、配合成分にニキビを悪化させるものがなければ安全に使えっるという調査がされています。
3.日傘・帽子
環境省が推奨しているのが”日傘や帽子をかぶる”という方法です。
この2つは太陽から直接くる紫外線を防ぐことができます。
とくに最近の日傘は紫外線の防御機能が高いものが出ているのでオススメされています。
またつばの広い帽子は外出時の紫外線防止として効果的です。
しかし注意したいのは”これらで完全に紫外線を防ぐことができない”という点です。
太陽から直接くる紫外線を防ぐことはできますが、大気中に散乱している紫外線を防ぐことはできません。
この辺りは”日焼け止めと連携して、防いでいくのがオススメ”です。
4.紫外線の強い時間帯に外出するのは避ける
紫外線は”1年なら6月~8月、1日なら11時~13時ごろ”が一番強くなります。
そこで環境省は紫外線の強い時間帯を避けて、外出することをオススメしています。
しかし紫外線中心の生活にするのは難しいので、日陰を利用するようにしてください。
日陰にいることで太陽からの直接の紫外線を防ぐことができます。
とはいっても、日傘と同様に空気中に散乱しているものや地面から反射しているものを防ぐことはできません。
5.飲む日焼け止めはオススメしない
”飲む日焼け止めは塗る日焼け止めのような効果が科学的に証明されていません。”
これはアメリカの皮膚科学会で警告も出されています。
米国皮膚科学会はこれらの錠剤を日焼け止めや日焼け止め衣類の代替品として、使用してはならないことを消費者に警告したいと考えています。
引用元:American Academy of Dermatology statement on oral supplements for sun protection(リンク先が削除されました)
飲む日焼け止めにSPFで計算しても問題があります。
肌のクリニック院長ブログによると、飲む日焼け止めのSPF値は以下のようになるようです。
飲む日焼け止めのSPF値は公表されていないが、現在のSPF測定のルールで判定すると、3ヶ月毎日飲んだとしてもSPFは1.56以下で、ほとんど期待できない。
紫外線環境保健マニュアルによると、日焼けして黒くなった肌はSPF4程度なので、皮膚の紫外線防御機能よりも低い数字です。(だからといって日焼けが紫外線を防げるわけではない)
これらからもわかるように、”飲む日焼け止めは買うだけムダ”なので塗る日焼け止めを使いましょう。
ちなみにSPF15以上の日焼け止めを広範囲に塗れば、日焼けの予防や皮膚がん、光老化のリスクを軽減することは科学的に証明されています。
飲む日焼け止めは効果なし!塗ると飲むの紫外線防御効果を比較!
まとめ
紫外線はニキビの原因になるだけではなく、健康に悪影響となることがわかりました。
”ニキビの原因になるという理由だけではなく、皮膚がんや光老化にもつながるので紫外線対策は必須”です。
日焼け止めがニキビに悪いということはないので、習慣的に使うようにしましょう。
また”日焼け止めだけではなく、日傘や外出する時間帯を調節してできるだけ避けるようにするのがオススメ”です。
ニキビと紫外線の関係について気になっていた方は参考にしてみてください。