今回は、”殺菌成分の本当の意味!”ということで、殺菌成分について解説していきます。
「アクネ菌はニキビの原因だし、殺菌すればニキビ治るよ!」
と言っているサイトを見かけて、本当に悲しくなりました。
アクネ菌はニキビの原因菌で、ニキビを悪化させるのはこのアクネ菌です。
しかし、アクネ菌を殺菌したところで、ニキビが治ることはありません。
むしろ、殺菌成分は肌に必要な成分まで殺菌してしまうので、免疫力の低い肌になってしまいます。
この機会に殺菌成分とは、どういうものなのか見直してみてください!
目次
アクネ菌って何なの?まずはアクネ菌を理解しよう!
アクネ菌はニキビの原因菌ですが、正式名称は、Propionibacterium acnes(プロピオバクテリウム・アクネス)と言います。
顔のニキビはこのアクネ菌が原因ですが、体のニキビとなると”マラセチア菌というカビの一種が原因”だったりします。
細分化するとアクネ菌は66種類に区分できるそうですが、大別すれば3種類、そのうち悪玉は2種類、善玉は1種類だとか。
(引用元: 相沢皮膚科クリニック×ニキビ研究所http://www.aizawa-hifuka.jp/acnecare/acnecause/bacteria/acnes/)
しかも、アクネ菌を細かく分けると、かなりの量があります。
そして、ニキビはうつると勘違いしている人がいますが、アクネ菌は常駐菌という皮膚に常にいる菌です。
ニキビがうつるということはないので、安心してください。
そして、アクネ菌にも善玉菌と悪玉菌の2つに分けられます。
上記でもある通り、悪玉菌が2種類で、善玉菌が1種類います。
菌の種類が多いから悪玉菌の方が多くいるというわけではありませんが、悪玉菌が多くいると、肌の健康状態が悪くなります。
ただ、だからと言って、殺菌しようというのは少し安易な考え方です。
アクネ菌の働き!アクネ菌も悪いやつじゃない!
アクネ菌がニキビの原因ということが広まってしまい、悪いイメージがありましたが、実際調べてみると悪いやつではありません。
アクネ菌には、2種類いると言いましたが、その善玉菌の方はとても良い菌です。
肌にはpH値というものがあります。
pH値とは?
pH値とは、酸性とアルカリ性の度合を0~14までの数字で示したものです。 中間のpH7を中性、それより大きい値をアルカリ性、小さい値を酸性といいます。
(引用元:肌のpH値の関係 http://www.hassendou.com/suhada-pH.html)
肌のpHというのは、4.5~6.0が健康的な状態です。
そして、このpH値を維持してくれているのが、善玉のアクネ菌となります。
なぜ、維持してくれていると良いのかというと、雑菌が繁殖しにくい値がこの4.5~6.0だからです。
つまり、アクネ菌は肌でしっかりと働いてくれていたのです。
一方で、悪玉菌のアクネ菌はやっかいです。
アクネ菌は、皮脂が大好きなので、皮脂を分解して”遊離脂肪酸”というものに分解します。
この遊離脂肪酸は、ニキビの炎症に大きく影響していて、炎症を悪化させるのはこれが原因です。
さらにやっかいなのが、ポルフィリンという光毒性物質を分泌することです。
ポルフィリンは、日光の紫外線(可視光)を吸収して、活性酸素を出します。
活性酸素というのが肌の老化をすすめたり、免疫力を低くするので、やっかいです。
ストレスを受けたときにも分泌されるもので、できる限り分泌はしたくないですね。
ストレスはニキビの原因のひとつです!ストレスニキビの治し方を解説!
アクネ菌を殺菌してもニキビは治らない
ここまでアクネ菌について説明してきました。
悪い面もありますが、全てが悪いというわけではありません。
これがわかった上で、アクネ菌を殺菌してもいいのでしょうか?
結論から言えば、アクネ菌を殺菌しても意味がありません。
アクネ菌は、肌に常にいる常駐菌です。
殺菌しても全てのアクネ菌を殺菌できるわけありません。
もし、殺菌したとしても一時的なケアで、結果としてニキビが治るのにはつながりません。
アクネ菌を化粧品で殺菌するデメリット
ニキビ用の化粧品の中には「アクネ菌を殺菌!」と書かれているものが多くあります。
上でも解説しているとおり、肌に常にいる菌なので意味がありません。
むしろそういった化粧品を使うことで、デメリットさえ生まれてきます。
- ニキビの根本的な解決にならない
- 肌に強い刺激を与えてしまう
それぞれ解説していきます。
1.ニキビの根本的な解決にならず時間とお金がムダになる
殺菌成分が配合された化粧品はニキビの根本的な解決にはなりません。
なぜなら、”ニキビは今あるところだけを治していては意味がないから”です。
根本的に解決するにはニキビができないような肌を目指す必要があります。
しかし殺菌成分が配合されているだけの化粧品ではニキビ治療にはなりません。
まずは皮膚科へ行って適切な治療を受ける必要があります。
ニキビができたら皮膚科へ行くべき3つの理由!体験談と治療薬まとめ
2.肌に強い刺激を与えてしまい敏感肌になる恐れがある
”殺菌成分は比較的強い刺激を与えてしまう成分であることが多い”です。
- エタノール(アルコール)
- サリチル酸
- イオウ
- イソプロピルメチルフェノール
上記はニキビ化粧品に配合されがちな殺菌成分です。
もちろんこの成分が配合されていたら、刺激になるというわけではありません。
ただ人によっては使い続けることで、敏感肌になってしまうという人もいます。
この辺りは個人差がありますが、当サイトではできるだけ肌の刺激を与えない成分で作られている化粧品をオススメしています。
2020年度!ニキビ化粧品ランキング!ニキビに効く化粧品はどれ?
アクネ菌を殺菌するなら抗菌薬を使うこと
散々、「殺菌成分は意味がない!」と言ってきましたが、抗菌薬は有効だと考えています。
抗菌薬というのは市販で売られているものではなく、皮膚科でもらえる「ダラシンTゲル」や「アクアチムクリーム」のことです。
これらの薬はニキビを根本から解決する「ディフェリンゲル」や「ベピオゲル」と併用して使います。
なので、今ある赤ニキビを効率的に治すことができるのです。
ちなみに”殺菌成分が配合されている化粧品よりも皮膚科でもらえる抗菌薬の方が効果が高い”です。
化粧品と薬の比較なので、当然と言えば当然ですが。
殺菌成分が配合されている化粧品を探していた方は皮膚科へ行った方が何十倍も良いのは間違いありません。
ニキビを治すためのアクネ菌との付き合い方!
殺菌成分が配合されている化粧品を使っても意味がないということを知ってくれたと思います。
じゃあ、アクネ菌とはどう付き合っていけばいいのかを説明していきます。
極論、ニキビを治していくためには「ニキビを予防していく」のが理想的です。
そのためには、殺菌などの一時的なその場しのぎをするのではなく、根本的にニキビのできにくい肌を目指す必要があります。
ニキビの初期段階、白ニキビのような「面皰(めんぽう)」を作らないようにしていきます。
そのためには、肌を清潔にするための洗顔と肌を乾燥から守る保湿を継続します。
アクネ菌を退治しようという考え方は、肌に負担をかける可能性があります。
殺菌できるからという理由で、化粧品を選ぶのは危険です。