今回はニキビの塗り薬についてまとめていきます。
ニキビの塗り薬には皮膚科でもらえるものから市販で買えるものまであります。
しかし、薬について理解せずに使ってしまうと、正しくニキビを治せないこともあるのです。
「ニキビにはどんな薬がオススメなの?」
「今使っている薬以外にどんな薬があるのか知りたい!」
これらの方はこの記事が参考になると思います。
この記事で掲載している薬は主に日本のニキビ治療ガイドラインを元にしていますが、世界のガイドラインも参考にしています。
それではニキビの塗り薬について気になっている方は参考にしてみてください!
目次
外用レチノイド・ベピオゲル
ディフェリンゲル
効果 | ピーリング 皮脂の分泌を抑制 |
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効果のあるニキビ | 白ニキビ、黒ニキビ(面皰) |
推奨度 | A |
保険の適用 | あり |
有効率 | 65% |
総皮疹の減少率 | 63.2% |
備考 | 有効率はニキビが50%以上減少した割合 |
参考 | http://www.differin.jp/doctor/effective.html |
ディフェリンゲルは、日本のニキビ治療を大きく変えた治療薬です。
2008年から治療薬として認められてから、多くの人に使われるようになりました。
アダパレンを0.1%含んだ薬で、毛穴詰まりを取り除く効果があります。
つまり、今までのような出来たニキビを治すではなく、ニキビができにくくするための薬です。
ベピオゲル
効果 | ピーリング 殺菌 |
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効果のあるニキビ | 白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ |
推奨度 | A |
保険の適用 | あり |
有効率 | – |
総皮疹の減少率 | 62.5% |
備考 | なし |
参考 | https://www.maruho.co.jp/medical/bepio/product/rinsyou.html |
ベピオゲルはディフェリンゲルと同様にニキビに強く推奨されている治療薬です。
2015年から使われはじめていますが、日本皮膚科学会では推奨度Aで一番高くなっています。
殺菌作用やターンオーバーを活性化させる力をもっていて、ニキビの根本的な原因を解決できます。
保険が適用されているので、出してもらうことが多い治療薬です。
デュアック配合ゲル
効果 | ピーリング 殺菌 |
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効果のあるニキビ | 白ニキビ、赤ニキビ |
推奨度 | A |
保険の適用 | あり |
有効率 | – |
総皮疹の減少率 | 81% |
備考 | 減少率は赤ニキビのみ |
参考 | 医薬品インタビューフォーム-デュアック配合ゲル 340278_26998A0Q1020_1_001_1F.pdf |
デュアック配合ゲルは、ベピオゲルとダラシンTゲルを混ぜて作った治療薬です。
ベピオゲルのピーリング作用とダラシンの殺菌・抗炎症作用がどちらも期待できます。
つまり、白ニキビ~黄ニキビまでのすべてのニキビに対応できる治療薬です。
ただし、ダラシンTゲルの耐性菌の関係からあまり長く使い続けることはできません。
良いとこ取りのデュアック配合ゲルのまとめ!効果や副作用を解説!
エピデュオゲル
効果 | ピーリング 皮脂の分泌を抑制 抗菌作用 |
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効果のあるニキビ | 白ニキビ、赤ニキビ(面皰) |
推奨度 | A |
保険の適用 | あり |
有効率 | – |
総皮疹の減少率 | 77.3% |
備考 | なし |
参考 | http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2699805Q1020_2_01/2699805Q1020_2_01?view=body |
2016年の11月から販売され始めたエピデュオゲルです。
この薬はディフェリンゲルとベピオゲルの成分を配合した新薬になります。
エピデュオゲルの効果はディフェリンとベピオゲルの2つの効果を持ちます。
つまり、ピーリング作用や殺菌作用が期待できます。
推奨度Aの薬の成分を2つもっている強力な薬です。
抗菌薬・抗生物質
ダラシンTゲル
効果 | 抗菌作用 抗炎症作用 遊離脂肪酸の減少 活性酸素の除去 |
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効果のあるニキビ | 赤ニキビ |
推奨度 | A(赤ニキビ) |
保険の適用 | あり |
有効率 | 64.9% |
総皮疹の減少率 | 57.6% |
備考 | 減少率は赤ニキビで4週間 |
参考 | https://medinfo-sato.com/products/dalacin/interview/dalacin_t_201212.pdf |
抗生物質の一種であるダラシンTゲルです。
写真はクリンダマイシンゲルというダラシンTゲルのジェネリック医薬品になります。
ダラシンTゲルにはニキビの炎症を鎮めて、アクネ菌を殺菌する作用があります。
高い即効性があるため、ディフェリンゲルと併用されることが多いです。
アクアチムクリーム
効果 | 抗菌作用 抗炎症作用 |
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効果のあるニキビ | 赤ニキビ |
推奨度 | A(赤ニキビ) |
保険の適用 | あり |
有効率 | 68.3% |
総皮疹の減少率 | – |
備考 | なし |
参考 | https://www.otsuka-elibrary.jp/di/prod/product/file/ac1/ac1_if.pdf |
ダラシンと同じく抗菌薬のひとつです。
アクアチムクリームは強い抗菌力をもっています。
しかも、耐性を作られにくいという特徴もあります。(完全につくられないわけではない)
アクアチムクリームのニキビへの効果は?使い方と副作用まとめ!
ゼビアックスローション
効果 | 抗菌作用 |
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効果のあるニキビ | 赤ニキビ |
推奨度 | A(赤ニキビ) |
保険の適用 | あり |
有効率 | – |
総皮疹の減少率 | 54.8% |
備考 | 減少率は赤ニキビ |
参考 | https://www.maruho.co.jp/medical/pdf/products/zebiax/zebiax_if.pdf |
ゼビアックスローションは、上の2つと同じく抗菌薬のひとつです。
ただし、この中でも一番強い抗菌力をもっているのがこのゼビアックスローションです。
ニキビ治療でも抗菌薬として出されることが多くあります。
抗菌力は高いですが、ニキビへの効果はほとんど変わらないと報告が出ています。
なので、どれが良いか優劣はつけがたいですね。
ゼビアックスローションとニキビについて!使い方や効果をまとめてみた
その他
スタデルムクリーム(イブプロフェンピコノール含有クリーム)
(引用:Qlife)
効果 | 抗炎症作用 |
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効果のあるニキビ | 赤ニキビ |
推奨度 | C1(軽症から中等症) |
保険の適用 | あり |
有効率 | 66% |
総皮疹の減少率 | – |
備考 | – |
参考 | にきび治療薬編 |
スタデルムクリームはステロイド以外の抗炎症塗り薬の中で、唯一ニキビに保険が適用される薬です。
この薬は炎症を抑えたり、痛みを和らげたりする働きがあります。
炎症を抑える薬と聞くとステロイドを真っ先にイメージする人が多いですが、この薬には入っていません。
ニキビ治療ガイドラインでは軽症から中等症のニキビに選択肢の1つとして推奨されています。
アゼライン酸クリーム
効果 | 抗菌作用 毛穴の詰まりを防ぐ |
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効果のあるニキビ | 白ニキビ・赤ニキビ |
推奨度 | c1(白ニキビ・赤ニキビ) |
保険の適用 | なし |
アゼライン酸は欧州や国際的なニキビ治療ガイドラインでも推奨されている薬の1つです。
この薬は抗菌作用や毛穴の詰まりを防ぐ働きがあるため、白ニキビ・赤ニキビともに有効とされています。
日本では皮膚への刺激が強いことから見送られていましたが、刺激の少ない薬が開発されて有効性と安全性が確認されました。
ただし日本では未承認ですし、保険も適用されていません。
美容皮膚科によっては置いてあることもあります。
アゼライン酸はニキビに効果ある?4つの効果から5つのオススメ商品を紹介!
イオウ製剤(クンメルフェルト液)
効果 | 殺菌作用 毛穴の詰まりを改善 |
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効果のあるニキビ | ニキビ全般 |
推奨度 | C1 |
保険の適用 | あり |
イオウ製剤は昔からある薬で、殺菌作用や毛穴の詰まりを改善する働きがあります。
イオウ自体は市販で売られているクレアラシルやビフナイトにも含まれています。
日本のニキビ治療ガイドラインでは、選択肢の1つとして推奨されている薬です。
ディフェリンゲルよりも効果は劣りますが、副作用が少ないのが利点です。
ビタミンC外用
ビタミンC誘導体はコスメ好きにも人気な成分ですが、ニキビ治療ガイドラインでも選択肢の1つとして推奨されています。
とはいっても、ビタミンC誘導体には色々な種類があって、皮膚科で使われているのは有効性が確認された一部です。
ただその一部の中には化粧品に含まれているビタミンC誘導体もあるのですが、値段がかなり高くなっています。
しかし、ニキビ跡(クレーターを除く)に効果が期待できる成分です。
日本のニキビ治療ガイドラインでもC1として推奨されています。
保険適用外の薬や推奨されていない薬
トレチノイン
効果 | ピーリング 皮脂の分泌抑制 |
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効果のあるニキビ | 白ニキビ、赤ニキビ |
推奨度 | なし |
保険の適用 | なし |
保険適用外の塗り薬、トレチノインです。
アメリカではニキビやシミに使われる薬として認められています。
効果は表皮の細胞を活性化させることで、ターンオーバーを促進させます。
イメージとしては皮をめくれさせて、新しいキレイな皮膚にするという感じでしょうか。
この効果によって、シミは皮と一緒に出ていきますし、ニキビ跡も消えていきます。
ただし、副作用が強い治療薬で、使い始めはヒリヒリや乾燥に注意してください。
ステロイド外用薬
ニキビにステロイド外用薬は推奨されていません。
炎症を抑える働きがある薬としてかなり有名ですが、ニキビを改善したという科学的根拠はありません。
しかも、ステロイドがニキビの原因になるケースもありますし、副作用も強いです。
ニキビに使えそうな薬に見えますが、オススメできない薬になっています。
市販の薬
オロナイン
オロナインはCMでも有名な薬で、ニキビに効果があります。
主な成分は”クロルヘキシジングルコン酸塩液”で、殺菌作用のある薬です。
よって、赤く炎症を起こしたニキビに効果があります。
しかし、効果があるとは言っても、そこまで強力なものではないので注意が必要です。
オロナインでニキビは治せる?オロナインの効果を考察してみた!
テラコートリル
テラ・コートリルは市販の中で最もオススメしている薬です。
効果は抗炎症作用と殺菌作用があり、抗菌薬として申し分ありません。
ただ”皮膚科で処方される薬よりは効果が弱いという点”と”保険が6gで1000円とやや高めの価格になっている”のがデメリットです。
それでも市販で薬を買うなら、この薬をオススメします。
ペアアクネクリームW
殺菌・抗菌作用をもった成分を2種類配合したニキビの薬です。
抗炎症作用もあるので、炎症をもった赤ニキビに有効です。
価格は14gで1000円となっています。
植物系の香りがする薬で、使用感が良い薬です。
クレアラシル
50年以上の歴史があるニキビ治療薬です。
殺菌作用や抗炎症作用があり、赤ニキビに使えます。
18gで909円となっていて、市販薬の中でもコスパが良いです。