「皮膚科へ行って、薬を使ってみたけど全然治らない・・・」
「皮膚科でもらった薬を使ったら、ヒリヒリするしもう使いたくない・・・」
ニキビを治すためにわざわざ皮膚科へ行って、ニキビが治らないのは憂鬱ですよね。
今回は皮膚科へ行ってニキビが治らない理由と対処法をまとめていきます。
ネットの口コミでは「皮膚科へ行ってもニキビが治らなかった」や「むしろニキビが悪化した」、「肌がヒリヒリするようになった」などを目にします。
すべて正直な感想だとは思いますが、この口コミを見て「皮膚科へ行かない」という選択をするのはやめてください。
というのも、”ニキビに効果的な治療がおこなえるのは「皮膚科だから」”です。
口コミで悪くいわれている部分はありますが、ニキビができたらまずは皮膚科へ行きましょう!
それを踏まえてひとつひとつ解説していきます!
目次
皮膚科へ通ってもニキビが治らないなら、自由診療の治療を検討する
初めに”皮膚科へ通っても、ニキビが治らない場合は自由診療の治療をオススメ”しています。
上記の図は当サイトで紹介しているニキビ治療の全体像です。
あなたは皮膚科に通っていてニキビ治療をしているなら、積極的治療期にいます。
”ここからニキビが治っていけば維持療法をおこない、全然治らなければ重症治療をおこないます。”
重症治療とは、保険適用内の治療ではなく、”海外で重症ニキビ向けにおこなわれている治療がおこなえる美容皮膚科へ行く”ことです。
海外のニキビ治療ではアキュテインという飲み薬やホルモン治療がおこなわれますが、日本では承認されていません。
そのため、”一部の美容皮膚科でしか取り扱っていない”のです。
重症ニキビ向けの治療方法まとめ
”皮膚科へ行って治らなかった人は、自由診療の治療を推奨”しています。
先ほども一部の薬を紹介しましたが、重症ニキビに使われる主な治療法を紹介していきます!
- アキュテイン
- ホルモン治療
- ケミカルピーリング
- 漢方薬
この4つは保険適用内の治療で、治らなかった場合に使われる治療方法です。
それぞれ解説していきます!
1.アキュテイン
アキュテインは、米国皮膚科学会や国際的なガイドラインで重症ニキビに推奨されている薬です。
その”ニキビへの有効率は98%で、再発率は約30%と強力な効果”をもっています。
しかし、日本では副作用の強さから未承認となっている薬です。
- 皮膚・鼻の粘膜・唇などの乾燥
- 骨や間接の痛み
- 頭痛
- 吐き気
- 赤ら顔
- 中性脂肪の上昇
- 血糖値の上昇
- 抜け毛
- 胎児の奇形
- 鬱や精神病
保険適用内のディフェリンゲルやベピオよりも高い効果をもっていますが、それ以上の副作用も兼ね備えている薬です。
とはいえ、保険適用内の薬が効かないという人は検討して見る価値があると考えています。
(引用元:Accutane Before & After Photos)
上記の症例写真は約10ヶ月の治療で、大きく改善されています。
ただアキュテインの治療は一部の美容皮膚科でしか扱っていないですし、保険も適用されないの大きな費用がかかります。
それを理解した上で検討してみてください。
2.ホルモン治療
ホルモン治療とは、”ピルや男性ホルモン抑制薬を使ってホルモンバランスにアプローチする治療法”です。
この治療法は副作用の関係から女性限定ですが、強い副作用もなく高い効果を得られます。
しかし、デメリットとして再発率が約60%と高いです。
そのため、ホルモン治療と一緒に塗り薬などで並行して治療を行う皮膚科も多くあります。
(引用元:acne.org)
こちらの症例写真はスピロノラクトンという男性ホルモン抑制薬を使用し、治療をおこなった症例です。
このようにニキビに高い効果が見込めるので、女性で皮膚科に行っても治らなかった方は検討してみる価値があります。
3.ケミカルピーリング
”ケミカルピーリングは、ニキビに選択肢の1つとして推奨されている治療法”の1つです。
炎症性皮疹に、標準治療が無効あるいは実施できない場合にグリコール酸あるいはサリチル酸マクロゴールによるケミカルピーリングを選択肢の一つとして推奨する。
面皰に、標準治療が無効あるいは実施できない場合にグリコール酸あるいはサリチル酸マクロゴールによるケミカルピーリングを選択肢の一つとして推奨する。
(引用元:尋常性ざ瘡治療ガイドライン2017)
保険適用外の治療ではありますが、2014年の比較試験では”白ニキビ・赤ニキビともに有意に減少したという報告”がされています。
Forty percent GA peels significantly improved moderate acne in this study. It is effective and safe in Asians.
訳:この研究では、40%のグリコール酸ピールが中等度のにきびを有意に改善した。アジア人に効果的で安全です。
しかも、副作用はあるものの、比較的短期間しか続きません。
またニキビ跡にも効果がある点も、ケミカルピーリングの強みです。
(引用元:Chemical Peels 101: All You’ll Ever Need To Know)
このように、”赤ニキビ・赤みのニキビ跡ともに改善”しています。
保険適用内の治療が効かなかった方は、試してみてください。
4.漢方薬
漢方薬はニキビの治療ガイドラインで、選択肢の1つとして推奨されている治療法です。
炎症性皮疹に、他の治療が無効、あるいは他の治療が実施できない状況では、荊芥連翹湯、清上防風湯、十味敗毒湯を選択肢の一つとして推奨する。黄連解毒湯、温清飲、温経湯、桂枝茯苓丸については、行ってもよいが推奨はしない。
面皰に、他の治療が無効、あるいは他の治療が実施できない状況では、荊芥連翹湯を選択肢の一つとして推奨する。黄連解毒湯、十味敗毒湯、桂枝茯苓丸については、行ってもよいが推奨はしない。
(引用元:尋常性ざ瘡治療ガイドライン2017)
”漢方は約77%の人が治療に有効”と判定されています。
引用元:標準的皮膚科治療に抵抗性の座瘡に対する漢方治療の有効性の検討
特にこの試験はニキビの標準治療が効かなかった人を対象に、漢方治療の有効性を検討しています。
有効率に関してはアキュテインやホルモン治療に劣るものの、充分に検討する価値のある治療なのです。
皮膚科へ行ってニキビが治らない理由
1.そもそも薬が合っていない
皮膚科へ行ってニキビが治らない理由のひとつが”薬が合っていない”というケースです。
現在では、ニキビ治療をするのに色々な薬が選択肢に挙げられます。
皮膚科医の方はその中から薬を選択するわけですが、”人によっては相性が悪い薬があるのも事実”です。
というのも、「ディフェリンゲルを使って全く治らなかったけど、ベピオゲルを使ったら治った!」という人が結構います。
つまり、”皮膚科へ行ってニキビが治らなくても、薬を変えるだけで治るという可能性は充分に”あります。
もちろんニキビの薬を変えるタイミングは皮膚科医の方の指示に従う必要がありますが、目安は2,3ヶ月ほどでしょう。
ここで大事なのは”皮膚科へ行ってニキビが治らなくても、治療を変えれば治るかもしれない”という点です。
もし皮膚科へ行って治らなくても、「皮膚科ってお金のムダ・・・」とならないようにしましょう。
2.薬の使い方や指示された期間を守れていない
薬の処方をされるときに皮膚科医の方から使い方の説明がされると思います。
その薬の使い方や使う期間を守れているでしょうか?
比較的多いのが、”勝手な自己判断で薬をやめてしまうケース”です。
「1週間使ったけど、ニキビが治らなかったので辞めました」
「1日1回って言われたけど、早く治したいから1日2回塗ってます!」
”皮膚科医の方の指示から外れないようにする”のが基本です。
とくにニキビの薬は初めの2,3週間は副作用だけで、本格的に効果が出てくるのは1ヶ月後からという場合も多くあります。
ニキビの治療は薬を使っても、これだけ時間がかかるものなので自己判断で中断はしない方がいいです。
薬を使う前にどういう治療をするのか理解できているのがいいでしょう。
3.副作用が出たらやめてしまう
”薬の副作用によって肌が敏感になっているのを、薬が肌に合っていないと勘違いする人が多い”です。
普通は皮膚科医の方から副作用についての説明がされるはずですが、そういった説明がなかったのかもしれません。
覚えておいてほしいのは”皮膚科で使われる薬は効果が高い分、副作用が強い”という点です。
先ほども言いましたが、使い始めは副作用が出てその後ニキビが治っていくという薬も多くあります。(ディフェリン,ベピオゲル)
副作用を感じる初めだけ使ってやめてしまうのは本当にもったいないです。
薬を使う前に副作用について、必ず理解しておきましょう。
4.そもそもニキビではないケース・皮膚科医の方の診断ミス
実はニキビと似た肌トラブルは多く存在します。
あまり考えたくはありませんが、”皮膚科医の方の診察ミスということもある”でしょう。
ニキビと似た病気には、”マラセチア毛包炎”や”酒さ”といったものが挙げられます。
【マラセチア毛包炎】
(参考:DERMQUEST)
【酒さ】
私は皮膚科医ではないのでわかりませんが、素人目ニキビとよく似ています。
実際に口コミでも「ニキビと診断されてディフェリンゲルを使っていたけど全然治らず、ネットで調べてみてマラセチア毛包炎だと思い、市販の薬を使ったらキレイに治った」という方もいます。
皮膚科医の方のミスだとこちらはどうしようもありませんが、”半年以上通っても治らないなら皮膚科を変えた方がいい”でしょう。
また上の写真を見て怪しいと感じたら、一度皮膚科医の方に相談してみてください!
背中ニキビが治らない人はマラセチア毛包炎かも。原因から早く治す方法まで紹介
5.日々の生活習慣がニキビを悪化させている
薬で一時的に治ったとしても、”日々の生活習慣でニキビを悪化させてしまうというケース”もあります。
例えば、以下のような例です。
これらはニキビを悪化させる原因になってしまいます。
仮に薬でニキビを治せたとしても、再発する可能性は高いです。
一応、”日本のニキビ治療はニキビが治ってからの維持期が用意”されています。
維持期とは、治ってからも薬を使って再発防止を目指す治療方法です。
「ニキビが治ったのにまた皮膚科・・・?」
という気持ちもわかりますが、ニキビは治って終わりではないので再発防止の治療をしていきましょう!
皮膚科に行って治らない人がやりがちな間違った対処法
1.薬がヒリヒリして悪化したからやめてしまう
何度もいっていますが、薬を使ってヒリヒリしたからといって治療を中断するのは辞めてください。
「皮膚科へいってニキビが治らない」と言っている人のなかには、薬や治療について理解が足りていない場合もあります。
薬をもらうときに使い方や副作用の冊子をもらえると思いますし、当サイトでも薬についてまとめています。
”せっかく皮膚科へ行ったのに正しく使えず、中断してしまうのは本当にもったいない”です。
もし中断したくなったら、以下の2つを確認してみてください。
- 薬を正しいやり方で使えていたか?
- 適切な期間、継続して行えたか(2,3ヶ月)
2つとも行えているなら、先ほど説明した”正しい対処方法を参考に「薬を変える」か「自由診療を検討する」のどちらかを行ってみてください。”
2.化粧品やエステに流れてしまう
これは意外とありがちですが、「皮膚科はダメだから口コミで評価のいい化粧品やエステを使ってみよう」というパターンです。
このパターンの人はかなり長くニキビの治療に失敗している印象です。
きっぱり言いますが、”化粧品やエステでニキビが治ることはありません。”
もちろんニキビ予防としておこなうのは全然いいですが、ニキビが治るのを期待して化粧品やエステに頼るのは絶対にダメです。
もし皮膚科へ行って治らなくても、正しい対処方法を参考に行動してみてください!
3.全く根拠のないそれっぽい治し方を実践する
”ネットには色々な情報がありますが、全く根拠のない治し方を実践するのはNG”です。
よく見かけるのは「水洗顔をしたら、ニキビが治った」というやり方です。
”今まで使っていた化粧品がニキビの原因だったという人はこれで治るかもしれませんが、大半の人は治らずに終わる”でしょう。
もし水洗顔が万能な治療法なら、世界各国の優秀な皮膚科医の方々がガイドラインなんて作る必要もありませんしね。
まとめ
皮膚科へ行ってニキビが治らないときの対処法をまとめましたが、”すでに皮膚科へ行った経験のある方はニキビを治しやすい”と考えています。
というのも、ニキビに悩んでいる人のほとんどは皮膚科へ行っていないのが現状なのです。
日本の受診率は20%ほどなので、”皮膚科へ行っている時点で周りよりも進んだ治療をしています。”
ただネットには甘い言葉や間違った情報も多いので、惑わされてしまうのも仕方ないですよね。
基本的に情報の信頼度で言えば、ネットよりも医療機関の方が間違いありません。(このサイトもネットですが)
ニキビを治すのには時間がかかりますが、皮膚科医の方のアドバイスにしたがって治療を進めていきましょう!