今回は、乾燥肌の根本的な解決方法について考えていきます。
乾燥肌の治し方として紹介されているのはいつも”保湿”です。
保湿自体は意味が無いものではありませんが、”一時的に潤しているだけ”です。
一時的に潤うだけでは乾燥肌を根本から治すことはできません。
そこで今回は乾燥肌を根本から改善できる方法を考察していきます!
乾燥肌に悩んでいて根本から治していきたい人は参考にしてみてください!
目次
乾燥を根本から治す4つの方法
乾燥を根本から解消する方法は4つあります。
- ヒト型セラミド
- ライスパワーエキスNo.11
- コラーゲンを作り出す栄養素を摂る
- ヘパリン類似物質を使う
この4つはすべてただ保湿をするだけではなく、改善する可能性がある方法です。
それぞれ解説していきます!
1.ヒト型セラミド
セラミドは保湿力の高い成分として有名です。
乾燥肌に悩む人もセラミド配合の化粧品を使っているという人も多いのではないでしょうか?
実際には保湿力が高いわけではないのですが、”バリア機能の改善や肌のセラミドの合成促進がおこなわれる”とわかっています。
ヒト型セラミド1,2,3混合物について、今回下記の結果が明らかになりました。
ヒト型セラミド1,2,3混合物は1.セラミド合成に関与する遺伝子の発現を促進する
2.セラミド合成を促進する
3.バリア機能を改善する
つまり”ただの保湿ではなく、肌のバリア機能の改善やセラミド合成が促進されることで乾燥肌が改善する可能性がある”のです。
また富士フイルムの研究ではヒト型セラミドをナノ化することで、より効果が高くなると発表されました。
(引用元:富士フイルム「ヒト型セラミド(*1)を配合した保湿に優れる機能性化粧品」)
セラミドの浸透量が高くなるのは当然ですが、水分蒸散量もナノ化した方が高い数値が出ています。
よって、”バリア機能の回復という意味でも、ヒト型ナノセラミドの方が優れています。”
乾燥肌の改善として利用するなら、ヒト型ナノセラミドをオススメしますが通常のヒト型セラミドでも問題ないでしょう。
ちなみにヒト型セラミドは合成セラミドなどと違って、全成分表示に「セラミド」と入っています。
ヒト型セラミドが配合されているかどうか見分けるときのポイントにしてみてください。
セラミド配合のオススメクリームランキング!化粧水がダメって本当?
2.ライスパワーエキスNo.11
ライスパワーエキスNo.11は、水分保持能の改善が厚生労働省に認められている成分です。
水分保持能とは”人間が生まれつき持っている水分を保持して、バリア機能を保つ力のこと”です。
しかし、この能力が衰えてしまうと、細胞間脂質(セラミドなど)が減少してしまい、同時にバリア機能も低くなり乾燥肌となります。
ちなみに”細胞間脂質が皮膚の保湿の80%を担っている”と言われています。
つまり細胞間脂質(セラミド)が減ってしまうと、乾燥肌になりやすくなってしまうということです。
そこで、ライスパワーエキスNo.11が活躍します。
”ライスパワーエキスNo.11は細胞間脂質を増やすことで、水分を保持する能力を高められます。”
一般的な保湿とは違い、皮膚の能力を改善することができる成分です。
乾燥肌の水分を保持する能力を改善するなら、ライスパワーエキスNo.11を試してみる価値があります。
3.コラーゲンを作り出す栄養素を摂る
肌内部が乾燥している場合は、”コラーゲンを作り出す栄養素を摂ることで改善する可能性があります。”
その前に肌のコラーゲンとはどういうものなのかについて解説します。
美容好きの人はよく「コラーゲンたっぷり!」とか言っていますが、コラーゲンとは真皮で皮膚を支えている線維のことです。
これをコラーゲン繊維と言いますが、これが弱ってくるとシワができやすくなります。
(引用元:そうだったんだ!コラーゲン!!コラーゲンが効くメカニズム解明)
そして、コラーゲン繊維をより細かく見ると、最終的にコラーゲン分子というものでできているのがわかります。
コラーゲン分子を構成している栄養素というのが”プロリン”や”リジン”といったアミノ酸なのです。
- リジン
- プロリン
- ビタミンC
上の3つがコラーゲン分子を作るのに必要な成分です。
リジンとプロリンに関してはサプリメントがあるので、それらで補ってみるといいでしょう。
詳しくは「プロリン・リジンが脂性肌を改善するメカニズム!ニキビには効果ある?」を参考にしてみてください。
ただ注意したいのは、”コラーゲンそのものを摂取するのではない”という点です。
コラーゲンそのものを飲んでも、胃で分解されてアミノ酸かペプチドになり、それがコラーゲンの原料として再利用されることはほぼないです。
乾燥肌とエイジングケアも兼ねたいという方は参考にしてみてください!
4.ヘパリン類似物質(ヒルドイド)を使う
皮膚科で処方される保湿剤としてヒルドイドはとても有名です。
少し前にはヒルドイドを化粧品感覚で処方してもらいに来る人が多く、問題になりました。
使用感としても保湿力の高さがあるわけですが、研究でも証明されています。
ヘパリン類似物質の保湿作用メカニズムを調査した論文では、”水分保持機能やバリア機能の改善が見込める”という結果が出ています。
ヒルドイド®ソフトまたはヘパリン類似物質を含まない基剤は,A/E/W処置開始翌日より1日1回(100mg),7日間塗布した。A/E/W処置により,角層水分量と天然保湿因子である遊離アミノ酸の量は有意に減少し,経表皮水分蒸散量(TEWL)は有意に上昇した。
以上の結果から,ヘパリン類似物質はドライスキンにおける角層の水分保持機能とバリア機能の低下を改善し,両機能の改善には主に天然保湿因子の増加が関与しており,角層細胞間脂質のラメラ構造の回復促進も一部,関与していると考えられた。
このことから”ヘパリン類似物質は、乾燥肌を改善する可能性がある”と考えられます。
また角層水分量の変化の実験では、他の保湿剤を大きく離した結果が出ています。
(引用元:ワセリン、ヘパリン類似物質含有製剤、尿素製剤塗布時におけるTEWLと角層水分量の比較)※リンクはマルホトップ
結果を見てもわかるように3日目以降から他の保湿剤を大きく離した角層水分量になっています。
このようにヒルドイドは強力な保湿剤なのです。
ただ何の病気もないのに、ヒルドイドを皮膚科へもらいに行くのは問題視されています。
なので、代替案として”HPローションやクリームをオススメ”します。
この2つは皮膚科でもらえるヒルドイドと同じ量のヘパリン類似物質を配合した保湿剤です。
ローションタイプとクリームタイプがあって、それぞれ1500~2000円前後で手に入ります。
保険は適用されませんが、Amazonでも購入できるので試してみてください。
乾燥を根本から解決する方法まとめ
乾燥を解決するには、”肌内部の水分量を高める必要がある”とわかりました。
それで見つかったのが以下の4つでした。
- ヒト型セラミド
- ライスパワーエキスNo.11
- コラーゲンを作り出す栄養素
- ヘパリン類似物質を使う
乾燥肌の対策として保湿が紹介されていることが今でもありますが、保湿そのものは解決にはなりません。
以上の4つは、バリア機能の改善や肌の保湿を根本から解決する方法です。
もし自分の乾燥肌を少しでも改善したいという方は、どれかを選んで実践してみてください。
乾燥はニキビに大きく影響する
(引用元:ニキビ用化粧品「ルナメアAC」の開発)
上の画像は、富士フイルムが水分量と油分量がニキビとどんな関係があるかを実験したデータです。
この実験でわかったことは、油分量の多さはニキビの発生と関係ないが、”水分量の低さはニキビの発生と関係する”ということでした。
つまり、乾燥肌の人はニキビができやすい肌質なのです。
一般的なイメージとしては、脂性肌の人にニキビができやすいと思われがちです。
しかし、この結果からわかるように油分量とニキビ発生の関係はほぼ無いと言っていいでしょう。
ここで言いたいことは、”乾燥肌ニキビを治していくためには、根本的に乾燥肌を治していくしかない”ということです。
ニキビ自体は治療薬を使えば、治すことができますが、乾燥肌が治っていなければ繰り返しニキビができると言えます。
乾燥肌でニキビに悩まされている人は、ニキビ治療と同時に乾燥肌を解決する必要がありそうです。
日常的な保湿をするときの注意点
今回は一時的な保湿だけでなく、乾燥肌の改善に焦点をあてた記事でした。
しかし、日常的な保湿も乾燥肌にとっては重要なスキンケアの1つです。
ただ”多くの人の保湿は保湿剤の数が多すぎます。”
なぜなら、”今の化粧水や美容液、クリームと多くの製品を使うやり方は肌の負担になるから”です。
これは米国皮膚科学会でも注意されています。
Limit the number of skin care products you use.Using too many products on your skin, especially more than one anti-aging product.tends to irritate the skin.
(訳:あなたが使用するスキンケア製品の数を制限してください。あなたの肌に多すぎる製品、特に1つ以上のアンチエイジング製品を使用していると、皮膚を刺激します。)
(引用元:Skin care on a budget)
乾燥肌で多くの製品を使っている人は少しでも減らす努力をしましょう。
乾燥肌に悩んでいる人は参考にしてみてください!