「ニキビが治ったと思ったのに、繰り返しできる・・・」
そんな方は、”隠れニキビがあるかも”しれません。
最近のニキビ治療では、今あるニキビを治すというよりもニキビをできないようにするという動きがあります。
それを考えると、隠れニキビ(微小面皰)について知らなければなりません。
「実は白ニキビの前に微笑面皰という隠れニキビがある」や「ニキビは治したら終わりじゃない?マジで大切な維持療法の話」でも触れていますが、”ニキビを根本から治すためには隠れニキビを治すことが大切”です。
治ったと思ったら、すぐにニキビができるという悩みをもっている人は参考にしてみてください。
目次
隠れニキビ(微小面皰)とは?
隠れニキビとは、”微小面皰(びしょうめんぽう)と呼ばれているもので、目に見えないニキビ”のことを言います。
実はニキビにも種類があって、隠れニキビから徐々に成長していきます。
- 隠れニキビ(微小面皰)
- 白ニキビ(閉鎖面皰)
- 黒ニキビ(開放面皰)
- 赤ニキビ
- 黄ニキビ
上が初期段階で、下になるにつれて悪化していきます。
隠れニキビは、”一番初期段階のニキビ”です。
当サイトでは、”隠れニキビを微小面皰(びしょうめんぽう)と定義”しています。
他のサイトでは、白ニキビや黒ニキビも隠れニキビとしていますが、この2つは目で見えるので入れていません。
繰り返しニキビができる原因は?
ニキビがキレイに治ったのに繰り返しニキビができる原因は、”目に見えない隠れニキビがあるから”です。
これはさっきの解説の通りです。
ニキビが治ったように見えても、実際は目に見えないニキビがあるので、それが悪化するとまたニキビができます。
つまり、隠れニキビを完全にできないようにしない限り、ニキビは繰り返します。
ただ、隠れニキビは特別でもなんでもないので、他のニキビと同じ原因です。
ニキビの大きな原因は2つあります。
- 角化異常
- 過剰な皮脂分泌
角化異常
角化異常とは、何らかの影響で”肌表面にある角質層が厚くなってしまうこと”を言います。
角質層が厚くなってしまうと、毛穴が詰まりやすくなるのでニキビの根本的な原因のひとつです。
この角化異常は色々な影響で起こります。
- ストレス
- ホルモンバランスの乱れ
- 乾燥
- 紫外線
これらの影響を受けると、角化異常が起こります。
つまり、この4つは隠れニキビの原因とも言えます。
詳しい原因は、「実は白ニキビの前に微小面皰という隠れニキビがある」でも解説しています。
過剰な皮脂分泌
角化異常ともうひとつ大きな原因なのが”過剰な皮脂分泌”です。
アクネ菌は皮脂が多い部位を好むので、皮脂が多く分泌されているとニキビができやすくなります。
ただ、皮脂の量とニキビは必ずしも比例しているわけではありません。
どちらかと言えば、肌の水分量が低いとニキビができやすいです。
なので、脂性肌だからと言ってニキビができるとは限りません。
逆に肌表面は脂性だけど、肌内部は乾燥しているというインナードライ肌の人はニキビができやすい傾向があります。
- 乾燥
- ホルモンバランスの乱れ
- ストレス
- 間違ったスキンケア
- 食べ物
- 遺伝
これらは過剰な皮脂分泌を引き起こす原因です。
あまりにも皮脂の分泌量が多いという人は一度皮膚科に行くことをオススメします。
顔を触るのは禁止
顔をベタベタ触り続けていると、角化細胞(かくかさいぼう)が増殖します。
この細胞が増殖すると、角化異常の原因になるので、顔を触るクセがある人は意識して辞めるようにしてください。
特に”隠れニキビはこういった原因が大きく影響”します。
頬杖をするクセがある人は今そこにニキビが無くても、今後ニキビができる可能性は十分にあるでしょう。
また、”ニキビを潰すのも辞めた方が良い”です。
基本は顔やニキビに触らないようにしてください。
気になっても触れない、潰さないでお願いします。
※どうしても潰したいという人は面皰圧出という皮膚科での治療がオススメです。(保険適用)
隠れニキビの3つの治し方!
隠れニキビ(微小面皰)については日本皮膚科学会でも推奨された治療法があります。
それを元にして隠れニキビの治し方を解説します。
1.皮膚科でもらえる塗り薬を使う
繰り返しニキビができるという人は、必ず皮膚科へ行ってください。
これは今まであったニキビが治ったという人も同じです。
ニキビ治療は目に見えるニキビだけではないので、隠れニキビにも対応していかなければなりません。
いわゆる”維持療法”というやつで、肌がキレイになった状態でも隠れニキビを作らせないための治療です。
日本皮膚科学会が出している「尋常性ざ瘡(ニキビ)治療ガイドライン2016」では、
- ディフェリンゲル(A)
- ベピオゲル(A)
- エピデュオゲル(B)
この3つのニキビ薬を推奨しています。
ディフェリンゲル
ディフェリンゲルは今のニキビ治療の定番的な治療薬です。
毛穴の詰まりを取り除く働きがある薬で、ニキビ治療に強く推奨されています。
この薬は白ニキビや赤ニキビに限らず、どのタイプにも対応しています。
ただ、炎症を鎮める働きが強いわけではないので、赤ニキビを治すときは抗菌薬と一緒に使って治します。
ディフェリンゲルは耐性菌の心配もないので、長く使い続けても問題はありません。
使い始めの2週間ほどは副作用があるので、使うときは皮膚科医の先生から貰える指示をちゃんと聞いてください。
ベピオゲル
まだまだ新しめのニキビ治療薬です。
ターンオーバーを促進するピーリング作用がある治療薬で、毛穴詰まりを予防します。
また、ベピオゲルは抗菌作用もあるので、アクネ菌に対しての効果もあります。
耐性菌ができにくいという特徴もあるので、ディフェリンゲルと同じくニキビに強く推奨されています。
エピデュオゲル
エピデュオゲルは、上のディフェリンゲルとベピオゲルを2つとも配合した新薬です。
この薬が発売され始めたのも2016年の11月のことです。
まだ新しい薬なので、これからの活躍が期待されます。
特に隠れニキビに有効な薬をどちらも配合しているということで、維持療法にも使えます。
2.1日2回の洗顔と保湿は継続する
ニキビが治ったとしても、”1日2回洗顔と保湿は継続”します。
ニキビの原因でも説明しましたが、ニキビの原因は”過剰な皮脂分泌”と”角化異常”です。
この2つは洗顔と保湿である程度の予防ができます。
1日2回の洗顔については、「尋常性ざ瘡(ニキビ)治療ガイドライン2016」でも選択肢の1つとして推奨されています。
ニキビが繰り返しできるからと言って、1日に何回も洗顔はしないでください。
ニキビができるのが不安なのはわかりますが、それは逆効果です。
また、肌断食ということで水洗顔をするのもオススメしません。
急に水洗顔にしてしまうと、”ニキビダニ”や”脂漏性皮膚炎”になる恐れがあります。
基本通り1日2回の洗顔と保湿でケアをしてください。
詳しい洗顔や保湿のポイントは、「ニキビのスキンケア方法まとめ!洗顔と保湿のやり方まで」を参考にどうぞ!
3.生活習慣やストレスに注意する
ニキビの原因を2つに分けると、”過剰な皮脂分泌”と”角化異常”が原因でした。
生活習慣の睡眠や肌を触ること、ストレスはこの2つの要因を引き起こします。
注意したい生活習慣は、以下の3つです。
- 睡眠(必ず6時間以上は寝ること)
- 肌を触ること
- ストレス
この3つは、”隠れニキビの原因を作りやすい生活習慣”です。
- 睡眠は最低でも6時間以上は寝ること
- また、肌やニキビを触らないようにすること
- ストレスを軽減するための解消法を決めておくこと
生活習慣のポイントはこの3つです。
ニキビを治すために食事制限をする人を見かけますが、やる必要はありません!日本皮膚科学会でも推奨していないので、バランスの良い食事を心がけるくらいでOKです!
微小面皰を治すときの注意点
微小面皰を治すには、”皮膚科での治療が必須”というのは説明しました
ただ、このときに注意すべき点があります。
- 抗菌薬は使わない
- 市販のニキビ薬は絶対に使わない
この2つは注意しなければいけません。
抗菌薬は使わない
ニキビの薬には、抗菌薬と呼ばれる薬がいくつもあります。
抗菌薬とは、”ニキビの原因菌を殺菌して炎症を鎮めるというもの”ですが、隠れニキビには必要ありません。
おそらく皮膚科医の方は維持療法になった段階で抗菌薬は出しません。
しかし、まだ抗菌薬が残っていた場合のために説明しておきます。
抗菌薬は炎症をもったニキビにはとても有効ですが、いくつかのデメリットがあります。
- 使い続けると耐性菌が出てくる
- ニキビの予防にはならない
それぞれ説明していきます。
使い続けると耐性菌が出てくる
まず、抗菌薬は使い続けていると、耐性をもった菌が出てきて徐々に効きづらくなります。
抗菌薬が長く継続的に使われないのはそのためです。
特に抗菌薬は炎症をもったニキビのみに塗ります。
隠れニキビのように目に見えないニキビにはそもそも使えません。
ニキビの予防にはならない
抗菌薬は今あるニキビには有効ですが、ニキビをできにくくするものではありません。
そのため、隠れニキビをできにくくする治療には必要ないのです。
ガイドラインでも書かれているのは、ニキビの予防ができる薬だけで抗菌薬について書かれていません。
なので、隠れニキビに抗菌薬は使わないでください。
市販のニキビ薬は絶対に使わない
ドラッグストアによく売られているニキビ薬とされている塗り薬があります。
これも隠れニキビには、全く意味がありません。
考え方は抗菌薬と同じで、”ニキビを予防する薬ではないから”です。
市販薬として定番的なオロナインに配合されているのは、”殺菌作用や消炎作用をもった成分”です。
つまり、今あるニキビにはある程度有効ですが、隠れニキビには不向きだということになります。
ちなみにオロナイン以外の薬も同じで、殺菌作用や消炎作用があるものがほとんどです。
そのため、基本的に市販で売られている薬は使わないでください。
まとめ
隠れニキビを治すためには、”ニキビを予防できるディフェリンゲルやベピオゲルが有効”ということがわかりました。
肌がキレイになってもニキビができてしまうという人は皮膚科へ相談に行きましょう。
また、隠れニキビを治す上で肌がキレイになっても、”洗顔や保湿は継続することを忘れない”でください。
ニキビが治った途端に薬やスキンケアをやめてしまうことがあるので、注意してください。
ニキビは繰り返しできやすいので、根気強い治療が必要になります。
大きく改善するのにも時間がかかるので、じっくりと治療をしましょう。