今回は、効果の高さから注目を集めているデュアック配合ゲルについてまとめていきます。
”デュアック配合ゲルは、2015年から使われ始めた比較的新しい治療薬”です。
この薬は「ベピオゲル」と「ダラシンTゲル」の配合剤となっています。
ベピオゲルが2015年4月で、デュアック配合ゲルはその1ヶ月後から使われ始めました。
ベピオゲルは白ニキビから赤ニキビまで幅広く使える治療薬です。
一方のデュアック配合ゲルは、”赤ニキビや黄ニキビの炎症をもつニキビに特化した薬”と言えます。
この記事では、そんなデュアック配合ゲルの効果や使い方、副作用についてまとめていきます!
目次
デュアック配合ゲルとは?どんな薬?
先ほども言ったようにデュアック配合ゲルとは、「ベピオゲル」と「ダラシンTゲル」を混ぜて作った治療薬です。
具体的には、”過酸化ベンゾイル3%”と”クリンダマイシン1%”を配合しています。
どちらもニキビ治療で使われている強力な薬で、その2つの効果をもっているデュアック配合ゲルはめちゃくちゃ強力なわけです。
日本皮膚科学会のニキビ治療ガイドライン2017でも、赤ニキビや赤ニキビと白ニキビの混在に強く推奨されています。(A)
白ニキビにも強く推奨されているわけですが、長期間の使用には向いていません。
なぜなら、”ダラシンTゲルは耐性菌が出てくる恐れがあるので、長い期間にわたって使うのに向いていないから”です。
デュアック配合ゲルのニキビへの効果!
デュアック配合ゲルはベピオゲルとダラシンTゲルの2つの効果をもっています。
デュアック配合ゲルの主な効果は以下の3つです。
- 抗菌作用(ベピオ&ダラシン)
- ピーリング作用(ベピオ)
- 抗炎症作用(ダラシン)
この薬のすごいところは、”ダラシンTゲルに耐性をもっているアクネ菌も減らすことができる”という点です。
簡単に言うと、ダラシンTゲル単体のときよりも殺菌の方法が増えているわけです。
それに加えて、白ニキビを改善させるピーリング作用と炎症を鎮める抗炎症作用があるので、幅広く対応できます。
(引用元:デュアック配合ゲルの有効性)※図は赤ニキビ
POLA PHARMAがおこなった日本人のニキビ患者に12週間塗布する試験では、赤ニキビ・白ニキビともに有意な減少が見られています。
”赤ニキビは塗布2週間で62.5%、12週間で88.6%減少”し、一方の”白ニキビは塗布2週間で40.9%、12週間で76.2%の減少”が見られました。
このことからもデュアック配合ゲルがニキビに強力な薬だということがわかるでしょう。
ニキビの治し方を詳しく知りたい方は「【完全保存版】初心者必見!3ヶ月で治す科学的なニキビの治し方まとめ!」を参考にしてみてください!
デュアック配合ゲルは白ニキビに効果ないって本当?
デュアック配合ゲルが白ニキビに効果がないと書かれているサイトがあります。
確かに抗菌薬が配合されているため、効果がないように思えるのかもしれませんが、白ニキビにも効果はあります。
ただし、条件付きです。
炎症性皮疹(赤ニキビ)と混在してみられる面皰(白ニキビ)に、クリンダマイシン 1%/過酸化ベンゾイル 3% 配合ゲル(※デュアック配合ゲル)を強く推奨する。なお,炎症性皮疹軽快後の維持療法としては推奨しない。
(引用元:尋常性ざ瘡治療ガイドライン2017)
ガイドラインを見てもわかるように、”赤ニキビと白ニキビがあるときは強く推奨”されています。
ベピオゲルが入っている時点で、白ニキビに効果はあります。
しかし、治療ガイドラインでは塗る抗菌薬単体は白ニキビに推奨されていません。(C2)
これを考えると、”デュアック配合ゲルは白ニキビ単体には向かず、使うならベピオゲルのほうがいい”です。
ニキビ跡は治る?
デュアック配合ゲルで、ニキビ跡が治ることはほぼありません。
一応ピーリング作用はあるものの、ニキビ跡を治せるほどではないのです。
もしニキビとニキビ跡が同時にあって、デュアック配合ゲルを処方されたなら「ニキビから治していく」という意図です。
”まずはニキビから治して、その後でニキビ跡を治していきましょう。”
ニキビ跡の治療は標準治療で推奨されているものがないので、美容皮膚科での治療がオススメです。
デュアック配合ゲルの副作用まとめ
デュアック配合ゲルの副作用は、ベピオゲルとダラシンTゲルの副作用と同じです。
どちらも比較的副作用が少ない薬ですが、まとめておきます。
- 乾燥
- ヒリヒリとした痛み
- 赤み
- かゆみ
- 接触皮膚炎
- 光線過敏症
これらの”副作用は使い始めから数週間ほどで出てくる”ものです。
使い始めの内は副作用を感じやすいので注意しましょう。
また副作用として接触皮膚炎や光線過敏症も認められています。
どちらも薬を中断・中止することで症状が回復していますが、気になる症状が出たら皮膚科医の先生に相談してみましょう。
副作用が出たときの対処法
副作用が出たときは3つの対処法があります。
- 使用量を減らす
- 保湿剤を使う
- 紫外線は極力避ける
このどちらかで、刺激を緩和させます。
もし、皮膚炎のように赤く腫れてしまったら、使うのをやめて、すぐに皮膚科へ相談してください。
デュアック配合ゲルの使い方
洗顔や保湿をした後に”1日1回夜”に塗ります。
塗る範囲に関しては顔全体かニキビのみかで結論が出ていません。
心配ならニキビとその周辺に塗って様子を見るのがいいでしょう。
どちらか判断できないときは皮膚科医の先生の指示に従ってください。
1.デュアック配合ゲルを使うときのスキンケアの手順
薬を塗る前に洗顔と保湿を終わらせます。
保湿と薬を塗る順番を間違える人が多くいますが、”保湿が先”です。
また朝は日焼け止めを塗って、できるだけ紫外線を防ぐようにしてください。
2.薬を塗る
デュアック配合ゲルは”赤ニキビだけに塗る”のか、それとも”顔全体に塗る”のか結論が出ていません。
ただ薬をもらうときに指示していただけると思うので、その指示に従いましょう。
どうしてもわからないときは、”赤ニキビとその周りに塗っておけば間違いない”です。
また薬は人差し指の第一関節に取ります。
塗る量や回数を勝手に増やしてしまうと、刺激が強くなりやすいです。
自己判断で間違った塗り方をしないようにしましょう。
デュアック配合ゲルを使うときの5つの注意点
デュアック配合ゲルは、使うときにいくつかの注意点があります。
- 冷蔵庫に保管すること
- 髪や服が脱色するかも
- 妊婦や妊娠予定の女性は使わない
- 12歳未満の子供は使わない
- 治療期間の3ヶ月以上は使わない
デュアック配合ゲルを使うときの注意点は、この5つです。
後は皮膚科医の先生の指示をよく聞いて使ってください。
1.冷蔵庫に保管すること
デュアック配合ゲルは、”2℃~8℃での保管が推奨”されています。
これはダラシンが30℃以上で保管されていると、変色してくるからです。
2℃~8℃というと冷蔵庫くらいしか無いので、冷蔵庫に入れておくことをオススメします。
ちなみに完全に凍らせてしまうのもNGです。
2.髪や服が変色する
これはベピオゲルの効果によるものです。
”ベピオゲルには強力な酸化作用”があります。
この酸化作用でアクネ菌を殺菌しているのですが、漂白や脱色にも利用されています。
つまり、デュアック配合ゲルを使っていて髪の毛や服についてしまうと、変色する恐れがあるのです。
使うときは、髪の毛や服がつかないように注意してください。
3.妊婦や妊娠予定の女性は使わない・12歳未満の子供は使わない
妊婦や12歳未満の子供は安全性の確立がされていません。
治療の効果よりもリスクが大きくなる恐れがあるので、使うのは避けましょう。
この辺りは皮膚科医の先生が考えてくれるでしょう。
もし、昔残っていたものや親の薬を使おうとしているなら辞めた方が良いです。
4.治療期間の3ヶ月以上を使わない
デュアック配合ゲルは”耐性菌ができにくい薬”です。
しかし、”ダラシンが配合されているので3ヶ月以上の使用はしない方が良い”です。
抗菌薬を長期間使い続けていると、耐性菌が出てきてしまい、ダラシンが効かなくなる恐れがあります。
目安としては赤ニキビが治ったら、ディフェリンかベピオゲルに切り替えて使うことが多いです。
まとめ
デュアック配合ゲルは、ベピオゲルとダラシンTゲルを混ぜた強力な治療薬です。
どちらの効果もあるので強力ですが、副作用や使用上の注意は守ってください。
何より皮膚炎が出たら、すぐに皮膚科へ行きましょう。
デュアック配合ゲルはまだわかっていない部分が多い薬でもあるので、先生の話をよく聞いて治療してください。